塩見岳 ~初の3000m峰・迫りくる南アルプスのマッス~


台風一過で日月と天気が良さそうだったので行ってきました。 最初は南アルプスは小河内岳を日帰りでと思っていましたが、1泊出来るならいっそ塩見岳まで行ってしまおうと。 塩見岳しかり、他の南アルプスの山しかりですが聞きしに勝るマッスで各々の存在感がすごい。 連峰というより広大な山域の中にまるで独立峰かのように鎮座しています。 山頂からの絶景、山域の雰囲気共に充実した山歩きでした。山深い南アルプスの魅力の一端に触れた気がした。

鳥倉駐車場〜鳥倉登山口

まず国道から鳥倉林道で駐車場まで行くのですが、ここで曲がるところを間違えてとんでもなく狭い山道に。このあたり鳥倉林道以外にも細い道がたくさん走っており、安易にナビに従うと大変。 駐車場からの林道歩きはほぼ舗装されているので自転車は便利そうですね。歩いても意外とそんなもんでした。

鳥倉登山口〜三伏峠



開けた樹林帯を登る→南斜面をトラバース→北斜面をトラバース→北斜面を登り上げる

北側のトラバースは痩せた道なので少し気を使いながら歩く。ところどころ橋やハシゴがかけてあります。濡れていると滑るので注意しながら。
途中水場がありますが、登山道からアクセスの良い水場はここだけ。特に三伏峠小屋からの水場は破線ルート沿いでかなり下るためここで汲んだ方が無難。

もう一つルートがあるようですが木を倒してあるので通れなくなっているかもしれません

少し開ける

後200歩!

三伏峠〜烏帽子岳


営業は終了していました


テン場にはチラホラとテントが
そのまま塩見小屋に向かうと時間があまりそうだったので、ちょっと寄り道・・・のつもりが結構な急登が。舐めてました。
ここを右に行くと烏帽子岳へ

鹿よけの柵がたくさんあります

結構な急登

山頂は着いた時はガスってたが強い風がときおりガスを剥ぎ取って絶景を見せてくれました。 塩見岳を眺めるには絶好のスポットです。 (この時はまだ塩見はガスってましたが、夕焼けは良かったとすれ違った方が教えてくれました。)
ラーメン休憩していたらガスが!

小河内岳側もガスが晴れ、凛々しい山容が姿を見せる

ガスが晴れると絶景が広がる

戻ってきた時には塩見も見えた

烏帽子岳〜三沢〜本谷山

ここは本来三伏峠、三伏山を経由しますがふと見つけた分岐がYAMAPに破線で示されていました。 (三伏峠からの水場への道) 三伏山を経由するのと標高差もあまり変わらないようだったのでこちらを選択。
破線ルート側も道がありそうだったので破線ルートを選択

水場マークの所には小さな小屋のみ

明らかに踏まれていない

しばらくは良かったのですが、1つ目の水場マークのところが枯れており、明瞭な道はそこまで。 その先は歩かれてない感が出ている枯れた沢を三沢小屋(文字通り潰れている)まで下ります。 この途中に水場がありましたが、三伏峠からはかなり下る。

途中に水場が。三伏峠からはかなり下る

文字通りつぶれている

トラバースで本コースを目指すが。。。
また三沢小屋跡地からトラバースを登っていきますが、こちらもあまり使われていない。昔つけられた道が残っているので歩けますが、非常に歩きにくい。本ルートに合流するとロープ張ってありました。使わない方が良いかと。
ほぼ使われていない道で進みにくい

やっと本ルートへ復帰。破線ルート側にはロープが
そこから本谷山まで中々の登り上げ。 破線ルートで結構気力を使ってしまったのかヒィヒィ言いながら登ります。 本谷山自体は展望は特になく、通過点といった感じ。
途中に展望台も

本谷山まで登り上げる

塩見の独特な山容が見える

本谷山〜塩見小屋

本谷山手前、塩見小屋手前をのぞけば膨よかな尾根の樹林帯を歩く。なだらかだけどこれまた長い。 前半の樹林帯は開放的で道も広くて気持ち良く、後半も明るめの樹林帯。
牧歌的な道


思ったより長い・・・

登りきると折り返してさらに登る

登り上げたご褒美
塩見小屋手前は中々の急登。烏帽子岳へ登りや破線ルートで使い切ったのかハァハァ言いながら登って小屋が見えた時にはそのまま天に登りそうな勢い。
間ノ岳、農鳥岳が眼前にどっしりと構える

小屋までの最後の登り


塩見小屋


近年改築されたようで、綺麗でした。 巨大なマッスの塩見岳をバックにこぢんまりと可愛い感じ。 この日は台風の影響なのか三連休中日にも関わらず隣と一つ開けで寝床を配置してもらえたため快適でした。 寝床は銀マットと化繊寝袋と枕。十分寝れます。

夕食は5時からだったのでちょっと昼寝。 その後コーヒー飲んだり写真撮ったり。 ちょっと登山道を進んだところに展望が開けるところがあるので、写真はそこから撮った方がよいかも。



夕食は野菜カレー、味噌汁、サラダ、ゼリー。 なんとカレーはおかわり自由!んなことある!? おかわり自由と言われると無理してでもおかわりしてしまいます。んまい。
やはり山小屋は14時くらいまでに入れると余裕あるなぁと思いました。メシ食ったらちゃっと寝たいし。 因みにトイレはトイレの個室で携帯トイレを使います。2回目からは有料。 男性の小は白峰三山を眺めながら開放的に用を足せます。
食事後は夕焼けを堪能して就寝

紅く染まる

雲の流れが面白い

最後の余韻

塩見小屋〜塩見岳




ご来光目的で早起き。ついでに星も少し撮りたかったので2:30には起床。少し星空を撮った後3:30には小屋を出発。 今回の核心部に迫る! ハイマツ帯をしばらく登ると岩場登り。 手足を駆使して登り上げていきます。 暗いけど楽しい。 一つ目のピーク(ジャンダルム)を登り切って山頂か!? と思ったら眼前に塩見岳ドーン。 簡単には登らせてくれません。 鞍部を通過して今度こそ取り付きます。
暗いとマーキングを見落としがちなので、一つ一つよく確認しながら登ります。自分の技量では外れるとにっもさっちもいかなくなる可能性があるので。 岩場登りを抜けて少し歩くとやっと山頂です! 一番乗り!ヤッホイ! 初3000m!展望がすごい! 富士山、白峰三山、荒川岳。振り返れば中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス。 贅沢すぎます。間ノ岳の存在感がとてつもない。


この時間だからこその空

山頂からしか見れない景色
双耳峰になっており、西峰から東峰へは5分とかからず行けます。 寒すぎるので卵スープをたいらげ、ご来光を待ちます。
しばらく待つとマジックアワーの空が素晴らしい色に染め上げられます。ご来光直前だけでは見れない色。暗い中登ってきた甲斐がありました。 ご来光は雲海の向こうから。神々しく。 位置的に季節によっては富士山から登ることもあるのかな?と思いました。そしたらとんでもなく絶景だな。
テンション上がってカッコつける

ご来光

日光に照らされて山々が色づいていきます。 白峰三山への稜線、むちゃくちゃ気持ち良さげ。 白峰三山のマッスもとてつもない。白峰の名の如く山頂付近はかなり岩陵体な感じ。遠くから見た時一瞬雪かと思ってドキッとした。 アクセスが時間かかるから行けるのはまだまだ先かなー。

荒川岳や悪沢岳でしょうか

東峰から。中央アルプスが見える

白峰三山への稜線
当初実は蝙蝠岳をピストンしようかと思ってました。しかし1泊の行程では自信なく断念。 塩見岳から見た蝙蝠への稜線も気持ち良さそうでした。蝙蝠岳も特徴的な形。蝙蝠傘を広げたようなイメージ? 鳥倉から3時間で登ってきたというトレランの方がヒャッホイ言いながら蝙蝠に向かっていきました。というか3時間でここまで登ってくるとかもう次元が違うな。
神々しく

蝙蝠への稜線。気持ちよさそう
そろそろ見納めです

しばらく山頂を堪能し帰途に着きます。 岩場も気をつければそう問題なく通過。明るくて道は見やすくなってるがマーキング見えにくいところもあるので注意しながら。

かなりの岩場。グレーティングDなだけはあります

落石したら大変なことです

朝日が帯状に差し込んでいきます
塩見小屋で朝食(時間が合わなかったので外で自炊)を取って塩見小屋を後にします。


見小屋〜本谷山

行きと同じ感じ。本谷山手前で登り返すのでコースタイムは行きとそう変わりません。 帰りは余裕があるからか、本谷山から仙丈岳が見える事に気付く。
見納めですね。烏帽子岳。

樹林帯に戻ります

本谷山から思いのほか仙丈ケ岳が見えた

本谷山〜三伏山〜三伏峠

帰りは通常のルートを選択。 当たり前だけど通常ルートの方が断然楽。 しかも三伏山は開けており、塩見岳、烏帽子岳の展望が良好。 絶対こちらを通る方がいいですね。
三伏山への登りで補給。羊羹は優秀。

三伏山からは綺麗に塩見岳が見える

烏帽子岳も間近に

三伏峠から近くていいです

小屋が見える。絶対こちらのルートの方が良い

三伏峠〜鳥倉登山口〜鳥倉林道

北斜面のトラバース道は濡れが残っており木の根が滑る滑る。
南斜面に移ると一転してとても平和な道。日も差して樹林帯がものすごくエモい。幸せな気分で下っているといつの間にか登山口へ。
光により美しい樹林帯


時間に余裕があると良い
林道では明るく晴れていると紅葉や岩壁がよく見えて中々気持ちがいい。 下りで巻けるかと思ったけど写真撮ってたら行きと変わらず。
登山口まで降りてきた

テクテクと下ります


山行終わりです
近くの道の駅のようなところで鹿肉を。あっさり弾力あるお肉でした。

振り返り


・ザックが重い

食料、水を必要分+αで持参したがαが多すぎたのかザックが重い重い。 そのせいか後々の登りがとてもキツかった。 心配性で詰め込んでしまうが、小屋、水場をもっと活用した方がよいかもと思った。 後は心拍測定してみたい。ガーミンか、はたまたSuntoか・・・。

・行動食

気づいた。水分なしのフルグラは行動中に食欲が湧かない。結果、余って持ち帰ること多数。 栄養バランス、日持ちの観点から持ち歩いてたけど必要な時に食べないんじゃあ。 正直羊羹がベストかもしれないと感じた。

・小屋泊

アイマスクと耳栓もっていこう。そしていつでもどこでもすぐ寝れる技術を身に着けたい。

・1泊という行程

なんか時間が余ってもったいないかなと思ったけど、余裕がある分山を楽しめて良かった。 せかせかした日帰りが多いけど、余裕ある行程組んでいきたい


・持参した機材

・Nikon D500
・Nikon AF-P DX 18-55mm f/3.5-5.6G VR
Nikon AI AF Nikkor 35mm f/2D
Nikon AF-P DX NIKKOR 10-20mm f/4.5-5.6G VR

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