日帰り:鳳来寺山 ~開山702年、歴史と展望を楽しめる奥三河のお山~
午前中だけ時間がとれたので、新年初登山は近場の鳳来寺山へ。
三河山地にある三ツ瀬明神山、宇連山には行ったことがあるものの、標高の低い鳳来寺山は後回しにしていました。
コースタイムも短いため、半日登山には丁度よかろうと思い鳳来寺山で計画。
せっかくなら自分にとって新年初日の出を見ようと4:00に自宅を出発。
のつもりが夜泣き対応の後に寝付けず、やっと寝たと思ったら寝坊。
結局家を出たのは4:30過ぎに。
しかも登山口までの道を間違えて遠回り。
三ツ瀬明神山に行く時は三遠南信自動車道を使うと早いので、同じ山域ならと思い自動車道に乗るとカーナビの到着時間が遅くなり・・・。鳳来寺山は思っていたよりもずっと西側で、普通に257号線を行った方が早かったのです。
焦るとロクなことはないですね。
少し遅れはしたものの、登山口駐車場に到着。
ヘッデンをつけて歩き始めます。
Garmin
登山口〜鳳来寺
鷹打場まではヘッデンなので写真はありません。ひたすらに石階段を登って行きます。
表参道にあたります。
またこの石階段が急なこと。
こんな急峻な斜面に石階段をつけるのも凄いですが、登るのも一苦労。
日の出に間に合わすためにかなり飛ばして登ります。
しかし予想より急だったので、早々にバテ始めます。日の出に間に合わないと悲しいのと、コースタイムそのものは短いのでバテても構わないと踏んで早いペースで登り続けます。
それなりに登ると鳳来寺に到着。
お堂の正面に舞台があります。
行きは暗くて気づきませんでしたが、お堂の裏手を登ったところに他にもお堂があり、最奥が本堂じゃないかと思います。
日の出は鷹打ち場で見る予定なので、お堂に向かって右手のトラバース道を進んでいきます。すると左手に家康公を祀った東照宮への石階段があるので登ります。
ここで少し迷いました。
地図では東照宮の裏手に道が続いているのですが、それらしい看板も道も見当たりません。
グルグル探した挙句、東照宮前にある社務所の奥に道がある事に気づきました。
非常に分かりにくいですが、社務所の奥まで行けば東海自然歩道の看板が見つかります。
東照宮〜鷹打場
ここから先はこれまでと打って変わって山道になります。毎度思いますが、東海自然歩道とはすなわち山道です。歩道と聞いて昨今のハイキングコースを思い浮かべるとえらい目に遭いますのであしからず。
昔の人にとってはこれくらいは歩道のうちなんですね。まぁ山道も道がついていれば歩く道ですから歩道に間違いはないか。
ただ傾斜は緩やかなので、サクサク歩いていきます。少し下り気味ですね。
途中から空が赤くなって来たのでちょっと焦ります。しかし時間的には余裕が出て来ているのでおそらく大丈夫なはず。
ある程度行くと鷹打場の看板が出てきます。
看板向かって下りの道に行くと鷹打ち場です。
非常に見晴らしが良く、ちょうど日の出の東側に開ているため、日の出を見るには良い場所ですね。
鷹打場は鷹を打つための場所なのか、それとも鷹を打ち上げるための場所だったのか。
後者じゃないかなぁと思うのですが、さてどうなんでしょう。
なんとか余裕を持ってつけたので、珈琲休憩します。新城だから寒いといっても大した事ないでしょうと思ってたら大間違い。
普通に氷点下でした。寒い。
愛用のクラッグジャケット(モンベル)の下に最近追加したサーマラップジャケット(モンベル)を着込みます。それでも寒い。
因みにクラッグジャケットはもう何年着てるか分かりませんが、普段使いから秋冬の山用ソフトシェルとしても使いやすくていいです。
行動中のアウターとしてちょうどいいんですよね。もちろんハードシェルじゃないので冬の高山は無理ですが、樹林帯の行動中には適しています。柔らかくて動きやすいのも良いですね。
しばらく待つとお日様がこんにちは。
自分としては新年初日の出でございます。
ご来光タイム。
山には初めて持ってきたD750でカシャカシャと。そういえば-5度くらいでしたが問題なく動いてましたねD750。バッテリーも問題なし。そのへんだけ心配でしたが大丈夫そうです。
さきっちょに座る |
けられてるな |
日が昇りきったら鷹打場を後にします。
朝日の木漏れ日の中を戻ります |
光芒めっちゃ出る |
鷹打場〜鳳来寺山山頂
ここからは山道を登って行きます。と言っても歩きやすい道。所々急なところはありますが、むしろ緩急があっていいですね。これが巫女石? |
宇連山でも思いましたが、このあたりは大きな岩が多く、登山道沿いにも樹林帯だけど岩の上を歩く箇所が多くあります。
またアルプスもビックリの急傾斜もあります。
ただアルプスと違って短いですよね。
入山する人の数が違いますから、葛折りではなく直登で道がつけてあるのでとにかく急なんです。アルプスは人気の山域なら急傾斜だと大概葛折りになっているので、長いですが登るのは時間をかければキツくはないですね。体力は必要ですが。
36-72の開放はふわっとフレアで芯がある |
途中途中に文部省の石碑がありました。何故でしょうか。そういえば今は文部科学省ですが、石碑は文部省でしたね。
地理は国土地理院。んー。どういった関係でしょうか。
これ切り出すの難しそう。。。 |
なんぞ |
後ろから |
激登り |
また天狗岩のあたりで西側の展望が良い場所があります。街が見えますね。豊橋でしょうか。
山頂は小ぢんまりとした山頂。
途中までは色々あるのに山頂はシンプルなんですね。特に展望もありません。
しかし山頂から宇連山方面に少し歩いて、階段を登ると展望が一気に開けます。瑞牆山山頂らしいですが私は標識を見つけられませんでした。
階段途中にとても大きな岩がありますが、裏側から登れます。危険なのでザックはデポした方がいいですね。
山頂何もなし |
近いんで絶対行った方がいいです |
デカイ。裏から登れました |
展望地では三ツ瀬明神山、宇連山がしっかり見えます。
三ツ瀬明神山、宇連山と比べると鳳来寺山の方が展望地が多くて眺めの楽しみがありますね。
三ツ瀬明神は展望はないけど登るのは川あり鎖あり岩ありで楽しい。
宇連山に明神山。奥に間ノ岳らしき山も |
急な下りの階段の手前で引き返します。
ここで引き返す |
鳳来寺山山頂〜鳳来寺
この辺は岩がでかいのか、岩盤が露出しているのか |
この奥に展望が |
鳳来寺方面に降って行きます。
こちらは参道(修験道?)にあたるため、先ほどの東海自然歩道よりもよく整備されています。お地蔵さんやお堂もあって歴史を感じますね。
開山は702年、鎌倉、室町、江戸と脈々と続いている歴史深いお山なのですね。
本堂は新しいですが、本堂以外はかなり古い建屋なので昔からのものでしょう。
こちらは時間もあってか登ってくる方がちょこちょこいらっしゃいます。
山頂を目指す方は皆さん山の出で立ちです。
鳳来寺までは観光の服装の方も結構見かけました。石段を登るだけですので危険は少ないですが、手ぶらではキツいですね。
確かにそれらしい大きな杉がありました。
杉の木もここまでくると凄みを感じます。
672年の時点であったわけですから、樹齢1348年以上ですよね。なんてこった。
樹木は歴史を視ているんですね。
下に鬼が眠っているとかいないとか |
鳳来寺まで戻ってきました |
鳳来寺まで降ってくるとかなり古いお堂やお地蔵がいくつもありました。昔はこちらが本堂だったんじゃないでしょうか。
立入禁止になってました。クライミングする人がいるから? |
本堂は新しめです |
後は石段をサクサクと降っていきます。
めっちゃ急ですな |
1400段以上あるとか |
歴史を感じる参道です |
仁王門 |
ありがとうございました |
駐車場までぶらぶらと歩いていきます。
麓の町を歩くのもいろいろ見れていいものです。
途中歌人である『若山牧水』の銅像があり、その前で地元の方のお話が聞けました。
牧水は酒好きだったらしく、俳句も酒が入ったもの、銅像にも酒瓶が入っています。
かの松尾芭蕉も来ており句を残しています。
また仏法僧、と呼ばれる声が昔はしていたそうです。
声の主はコノハズク。ブッ・ポー・ソーと鳴くそうで、仏法僧の声が鳳来寺山にこだましていたとのこと。
仏法僧の由来など記した看板もあり、テレビにも取り上げられたそうです。
しかし地元の方によると今はもう仏法僧はいないとのこと。
50年前(1971年)に鳳来寺パークウェイを開通させるために、山肌を発破でかなり削ったらしいです。その頃からコノハズクはいなくなったとのこと。
また経済性から針葉樹林を植樹したためエサが無くなりいなくなったのではないかとも言われました。確かに天竜杉に代表される優れた木材として針葉樹は多くの地域に植樹されています。
しかし元の広葉樹を破壊したのちに針葉樹を植えているため、もちろん環境が変わります。昨今人里に熊、猪、猿、鹿などが降りてきて被害が拡大しています。
また集中豪雨による土砂崩れ。
どちらも針葉樹林による影響が大きいようです。
■参考HP
https://ecoracy.com/1174.html
しかし広葉樹林は育つのに時間がかかるようなので、一度変わった環境はそう簡単には元には戻りません。
またこれらの環境を変えたことによる様々な影響は、手を加える前に全て予測出来るかというととても無理だと思います。少なくとも経験的に言えても数字で根拠として示すことは難しいんじゃないでしょうか。
そうなると開発を行う側は数字的、科学的根拠によって開発を進めますから、確かな根拠のない不安に対して手を止める理由がありません。しかし現実に結果として様々な影響が
出ているというわけです。
企業は利益を追求する団体で、その社会貢献(製品)と利益で我々は衣食住を得て、便利な生活を送っています。
それらが間違っているとは思いませんし、開発する側が一概に悪いわけではありません。
しかし大きな影響が懸念される事案はバランスを取りながら、可能な限りの調査を行って慎重に進めて欲しいものです。リニアとかね。
性急に事を進めた時には必ずどこかに無理やほころびが生じ、それらは意思表明しない多くの人、環境への悪影響を与える場合があるのではないでしょうか。
しかし開発の決断をする人たちにそれらへの理解がある人がいったいどれだけいるでしょうか。
アルプスの山々も観光地と化して久しいでしょうが、バランスを取ってもらえたらなぁと思う限りです。観光も受け入れないと利益を出せず登山道の整備もままならない一面もあるでしょう。登山道のおかげで我々一般人は安全に登山が出来ます。
しかし過剰な便利さを求めてはいけないと常々思います。
あぁ・・・また根拠のないことをつらつらと。
しかしそんな事を考えさせるお話を聞きました。
今でも少し離れたところでは仏法僧の声は聴けるそうですが、参道ではもう聞くことは出来ないそうです。
所感
フルサイズシステム
フルサイズを導入しました。
立体感、ダイナミックレンジ、解像感、ボケはさすがのフルサイズ。
撮ってて楽しい楽しい。50mmF1.8がもう楽しい。
しかし登山におけるシステムとして考えた時に広角がネックだと気づいた。
フルサイズは広角が強いと聞きます。そうでしょうか?
いや、まぁ流れとか周辺画質とか歪曲とかは出目金レンズの方が優れているのでしょうか。
いや、まぁ流れとか周辺画質とか歪曲とかは出目金レンズの方が優れているのでしょうか。
APS-Cで10-20(換算15-30)がとても便利(小型軽量)だったんですが、これに相当するレンズが14-28F2.8や16-35F4と本気レンズしかない。どちらも重量級で肩につけるとキツイことは目に見えている。また出目金レンズが多くフィルターがつけられない。
登山という性質上、大事に抱えて使うわけじゃないですからフィルターは必須。
他レンズメーカーを見回してもフィルターをつけられる小型軽量な超広角レンズがない。
フルサイズ導入と同時にNikon18-35は購入したが、今回持って行って明らかに画角が不足している。超広角のパースが足りないように思う。
私は広角レンズを使うのは稜線上の風景を撮る時。
私は広角レンズを使うのは稜線上の風景を撮る時。
そこにマッチするのは暗くても構わないから超広角の画角と小型軽量を合わせ持つレンズ。今はそれがNikon10-20しかないということか。
しかしそれではD750ではDXモードで画素数が不足するし、そのためだけに2台持ちは合理的じゃない。因みに10-20もフルサイズでは14-20の画角は使えることが判明した。
周辺減光が強いが、風景で良く使うF8以上に絞れば結構解消する。
先日iPhone11の写真を見たがあまりにも良くなっていた。
拡大すると多少不自然さは残るもののボケまで表現できて長秒露光も画像合成でブレを無くすという超技術。被写体ブレも克服してるなら化物だ。
しかも換算13mmの超広角もあるという。
あれ、もうiPhone11 Pro買えばいいのかな?
というか本気で望遠(換算200mm以上)が必要なシチュエーションが想定されない限り一眼レフ必要ないやん。撮影そのもののリズムとか速写とか楽しみとかはないけどね。
でもどんどん一眼レフの需要が減っていくとレンズやボディを出す体力なくなって、楽しみがなくなるのかなぁ。そんなの嫌だよね。合理性が必要な事もあるけど合理的じゃないから楽しいこともあるよね。
オールドレンズ
シリーズE、36-72mmF3.5をヤフオクで安く手に入れたのですが、40年も前のレンズなのにまぁ良い事。素晴らしいですね。フレア気味やゴーストも出るけど嫌な感じではなく。また明るく撮れるしマニュアルフォーカスはもちろんやりやすい。
開放はフレア気味なふわっと描写、だけど芯が残ってる。
一段絞ってF5.6ではカッチリ解像してフレアも解消。クリアな描写。
ただ唯一の欠点は寄れないこと。
28-50mmF3.5が画角、最短撮影距離的にもベストマッチっぽいんだけど数が少ないみたいで中古相場が高い。うーん。
因みにフォーカスエイドと露出が動作すれば風景写真ではマニュアルレンズでも全然問題ないことが分かった。普通に使える。
人を撮るのは待たせちゃうし一瞬を撮れないから自信はない。
NikonのFマウントは不変のFマウントだから(と言ってもいろいろ変わっちゃいるが)、
Ai以降のレンズなら今のボディで露出とフォーカスエイドは使えちゃう。
沼にハマっていく予感しかしない。
持参した機材
Nikon D750
Nikon Series E 36-72mm F3.5
Nikon AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G
Nikon AF Zoom Nikkor 28-80mm F3.3-5.6G
コメント
コメントを投稿