Nikon Z50の凝縮されたコンパクトさに惚れた話
Z50を購入してそろそろ半年ほど経つのでつらつらと。
背景
元々はD500をメインに使用していましたが、
古いレンズへの興味が深まるにつれてフルサイズが欲しくなり、D750を購入。
しかしD750とD500では使い分けがうまく出来ずD750ばかりの持ち出しになっていたため、(動体はあまり撮らない)D500の処遇に悩んでいました。
ミラーレス化はまだまだ先かなと思っていたんですが、Nikonから発売されたZ50を触ってから気になる気になる。
なんたってコンパクトで軽い。それでいて小気味良い質感と撮影感。
こりゃあいい、となったわけです。
自分は初めて見た、触った時に良い!と感じたものは大概他の物を検討した後でもやっぱり気に入る事が多いです。
逆にビビッと来てないけど合理性だけで買うとなんだか好きになれない事もあります。
と言う事でD500をZ50に入れ換えてサブ用途にする事にします。
購入
D500&16-80をオークションで売却。
D500は登山でゴリゴリ使ってたので結構傷が入ってましたが、相場より安くした所買い取り手が見つかりました。
晴れてほぼ追い金無しでZ50のダブルズームが家に。
これが機材道楽業界で言われる「実質タダ」、という事か?
D500が手元を離れる時は一抹の寂しさがありましたが、機材道楽はそんなの関係ねぇ。
晴れてZ50をお出迎えしました。
良いところ
まずはZ50の美点から行きましょう。
軽量コンパクト
絶対的にここです。Z6を持った時は多少小さいけど劇的にコンパクトなわけじゃないし、
結構重いな、というのが第一印象でした。
しかしZ50&16-50は
軽っっっ!
小っさっっっ!!!
というのが第一印象でした。
それくらい軽くて小さい。もちろんAPS-Cとしては、です。
kissMより筐体は大きいけどレンズの出っ張りは小さい |
Z6と比べると際立つ小ささ |
他にももっとコンパクトなカメラはありますよ?
ですがZ50の良いところは
機能とグリップを損なわずに最大限軽量コンパクト
これに尽きます。
他のコンパクトなカメラはだいたい何かが犠牲になっています。
グリップが小さすぎてホールドにしくい、EVFが使えたもんじゃない、初心者向けに降り過ぎて機能制限が多くて設定自由度が低い、ダイヤルやコマンドが少なすぎて設定変更が直観的に出来ない、質感があまりにチープ。。。
などなど挙げればキリがありません。
しかしZ50はそれらを見事にクリアしつつ、あの軽さとコンパクトさを実現しているのです。
この携帯性のおかげで持ち歩きは本当に苦にならないので、子連れで荷物が多くフルサイズを持ち出すのは憚られる時なんかでも持ち出せます。
出先でテーブルフォト撮るのにも気恥ずかしくない小ささですね。
設定自由度
Nikon機はエントリー、中級機、上級機のように三段階くらいで設定自由度が分かれています。その中でエントリークラスのサイズ感であるにも関わらず、中級機クラスの設定項目が採用されています。
D750やD7000シリーズと同等と思えば良いかと思います。
おかげでD500,D850,D5などの上級機と比べればもちろん劣る所はあるものの(そもそも比べる対象じゃありませんが)、十分過不足なく使えるという印象です。
同じAPS-C機でエントリーにあたるEOS KissMを妻用に所有しているのでそちらでもいろいろ試しましたが、とにかく設定自由度が低い事と操作性が良くない事で使う気になれませんでした。
逆に妻は基本オートで撮るのでKissMの方が分かりやすいらしいです。
表現に辿り着くプロセスが異なるだけなのでどっちが良い悪いはないんですが、自分の場合は中級機クラスの設定自由度があるZ50の方が扱いやすいです。
チルトモニター
チルトが180度チルト可能なんですが、これが地味に良いです。
家族で三脚使わずに自撮りするのに便利です。
D750に広角レンズつけてやろうとした時もありましたがとてもじゃないけど撮れません。
Z50に16-50つけて180度チルトして、軽いから片手で持って自撮りで家族写真が撮れます。
瞳AF
Canon,SONYには劣ると思いますが瞳AFが効きます。
軽量で良好なグリップがあるので、片手でぶらさげて持って瞳AF任せで子供を撮ると良い感じです。
良くないところ
基本的に良くないところは許容範囲かつそこをカバーすると最大の美点である軽量コンパクトが犠牲になる可能性があるので求めはしません。
ただ一応良くないとされるところも書いておきます。
手振れ補正
ボディ内手振れ補正がありません。
キットレンズにVRついているので問題ないですが、マウントアダプター経由でオールドレンズ使う場合は従来の一眼レフと同じです。まぁAPS-C機ではオールドレンズ本来の画角&被写界深度で使えないのでその用途には素直にボディ内手振れ補正付きのフルサイズ機が良いと思います。
ただ富士のX-S10なんかは同じくらいコンパクトだけど手振れ補正付きなので、将来的には期待したいですね。(X-S10は質感が悪く欲しいとは思わなかった。X-E3とかは
めっちゃ気になるんだけど)
画素数
個人的な感覚ですが、2000万画素だと綺麗に撮れるんですが細部を見た時の感動は薄いです。2400万画素以上あるとそこに感動があるので撮っていて楽しいです。
ただ用途的には日常の気軽な一面をちょこちょこ撮って、家族でTVやタブレットで見て楽しむ、というような用途なのであまり問題になりません。
共有が簡単なWeb上だと細部の確認が出来ない or 出来ても仕組みとして面倒だし、見せたい人はオリジナル画像を拡大して見る事はほぼないし。
ただ自分自身の撮る楽しさとは直結するので、メイン機には据えないのかなと思います。
そしてAPS-C機で2400万以上あると確実に手振れが気になります。
画像が甘い、の大半は手振れや被写体ブレでしょう。
また高感度の面でも2000万画素機の方が有利です。
そういう相反する面があるため、Z50に2000万画素は妥当だと思います。
レンズシステム
ダブルズームキット以外に広げようがないのが難点です。
FTZにDXレンズをつければいいんですが、それではせっかくの軽量コンパクトの美点が薄れてしまいます。
試しにAF-S18-135とかつけて使ってみてますが、もちろん普通に使えるし瞳AFも使えて便利です。しかしこの大きさならZ6&24-70でも良いかなと思っちゃいます。
またAPS-Cなので夜の家の中(LEDシーリングライトがメイン光源の一般的な家庭)で子供を撮ろうとするとキットレンズだとキツイです。
最低でも1/125は欲しいのでキットレンズではかなり高感度になり、画質が損なわれます。
薄型単焦点があれば暗所は単焦点、明るいところはキットレンズで使い分け出来るといいんですけどね。
この辺はCanonやSONYのシステムは羨ましいですね。
ただ自分の場合はサブ機なんでさして問題になってはいません。
これをメインや初めてのカメラにする場合、キットレンズから広げたくなった時に困るだろうなとは思います。
PERGEAR 25mm f1.8 |
MFレンズですがAPS-C専用に作ってあり周辺減光なども許容しているため極めて小さく軽くてZ50にピッタリです。
富士のボディにはおなじみのメーカーのようですね。
Zマウントも出してくれてうれしい限り。
また別途レビューします。
暗所AF
稀に暗いところでAFが使い物にならなくなる時があります。
日中のお寺の社殿の中で人物を50-250で撮ろうとした時にあまりにAFが合わなかったため、D750の24-120に切り替えました。
オートでダメなら普通ピンポイントなどでコントラストのあるエッジ部を狙ってAFしますが、それでもダメでした。
その後暗所で撮ってないのでまだ確実な事は言えませんが、D750ではなんの問題もなかったので。。。
インターフェース
地味にUSBのmicro-B端子。Androidで普及はしてますが、今後USB-Cに置き換わっていくだろうし、Z6と同じUSB-Cにしてくれれば良かったのに。。。
電池ケース内にSDカードがあるので地味に取り出しが面倒で、ケーブルでデータ読み出したいんですが、iPhoneユーザーでmicro-Bを他に使わないのでそのためだけにmicro-Bが必要になって地味に面倒。AppleですらiPadにUSB-C採用してるくらいなんだから、Nikonさん頼みまっせ。
クロップがない
最近野鳥撮りたくなり、色々調べてて気づいたのですが、Z50はD7000シリーズにはあるクロップ機能がない。
正方形とかはあるんですが。インスタ向けか。
1.3クロップは欲しかったなぁ。
撮影写真
ƒ/3.51/16016 mmISO 720 |
ƒ/5.61/10041 mmISO 1100 |
/5.61/8026.5 mmISO 160 |
ƒ/4.81/3029 mmISO 280 |
ƒ/5.61/20020 mmISO 450 |
ƒ/4.51/8010 mmISO 320 |
ƒ/3.81/8024 mmISO 280 |
ƒ/1.81/400050 mmISO 100 |
ƒ/4.81/8011 mmISO 3600 |
新たに気づいたこと
なんかZ6と比べてレリーズタイムラグがあるなぁなんて感じていたんですが、
どうやらフリッカー低減機能の影響だったよう。
フリッカー低減はONにしっぱなしだったんですが、説明をよく見ると
- [する]に設定した場合、連続撮影時に撮影速度が遅くなったり、撮影間隔が一定ではなくなることがあります。
nikon Z50 オンラインマニュアル引用
とあるではないですか。
試しにオフにしたところ、感じていたラグは解消したようで気持ちよくシャッター切れるようになりました。
また野鳥に使おうかなーと考えているのですが、連射速度にある高速連続撮影(拡張)って当然何か制限があるんだよなぁと考えてました。RAWだとダメだとか。
よくありますよね。スペック上はすごい連写でも最高速は圧縮RAWじゃないとダメです、とか12bitRAWじゃないとダメです、とか。
Nikonはロスレス圧縮できるのでいいですが、通常の圧縮RAWだとRAWの意味が薄れるような。まぁさして実用は問題でないでしょうから気分的な話かしれませんが。
で、Z50の最高速は11コマ/秒(12bitRAW)、14bitだと9コマ/秒に落ちる。
そして拡張の注意点は設定によっては露出が安定しない場合があるのでAEロックを使ってください、とのこと。
てことは12bitRAWなら意外と動きものもやれるのかしら?
そもそも数年前に使ってたD500は最高速が条件なしで10コマ/秒。
もちろんミラーがないから出来る事ですけど、Z50やるなって感じです。
メカシャッターだし。
ただバッファが多いわけじゃないのでRAW使うと30~35コマで詰まりますね。
例えばSONYのα6600でも最大コマ数はRAWで46枚です。
もう古いですが7D mark2はRAWで24枚。
D7500はロスレス圧縮14bitRAWで50枚。
そう思うと非圧縮14bitRAWでも200コマ最高速で連写可能なD500は未だに化物クラスな気がしてきました。デカイだけある。
脱線。
知らなかったんですが、Z50は電子シャッターの連写でも最高速は変わらないみたいですね。富士フィルムやSONYのα1、α9系は電子シャッターでさらなる高速連続撮影が可能なようです。SONYでも上位機種じゃないと電子シャッターによる高速連写が使えないというのは意外。
最高速で短く連写するのがいいのか、はたまた高速で長く追う方がいいのか。
野鳥撮りに行く機会より山に行きたくなっちゃうのでまだあまり試せませんが。
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