【1泊】黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳
有休使って1泊で黒戸尾根をやってきました。
日帰りする超人も多いみたいですが、私は自信がないので普通に七丈小屋で1泊です。
久しぶりの小屋泊。
SCWは悪くない予報。ヤマテンは崩れる場合もあるとの予報。まぁ行ってみよ!
駐車場〜笹ノ平分岐
中部縦貫道が整備されてきたおかげで随分アクセスが楽になりました。
今まで3時間ほどかかっていたのが2時間半程度で行けるようになりました。
国道52号がくねくねで遅いペースなので、片側1車線とは言え高速になるだけでかなり違います。これなら中部縦貫道が完成した暁には八ヶ岳も随分身近になる気がします。
今回は尾白川キャンプ場を登山口にします。
他にも横手という場所からも登れそうでしたが、こちらの方が駐車場に余裕がありそうなのとトイレなどが整備されていそうでしたので。
駐車場はコンクリ以外にも砂利駐車場があり、結構な台数止められますが、キャンプ客、観光客、日向山登山者、甲斐駒ヶ岳登山者が止めるので6時台に着いてもコンクリ側は満車でした。
立派なトイレ |
竹宇駒ヶ岳神社の裏手にある橋を渡って登り始めます。
ここは滝の周遊も出来るみたいで、通常の観光客の方もいらっしゃいました。
滝もそのうち見に行きたいですね。
お参りしてから、左手側に向かって抜けていきます |
最初から急傾斜ですが、ジグザグに道をつけてあるためそれほど労せず登れます。
そのあと少し平らですがすぐにまた急登です。が、やはり丁寧に道をつけてあるのでそれほど辛くはありません。
また道がかなりえぐれた形状になっており、ここを通る人の多さをうかがえます。
開山の歴史も古く、宗教登山も盛んだったようなので丁寧な道になっているのかなと思います。白山や御嶽山など古くから信仰で登られている山は大概道が丁寧につけられています。
登山家だけでなく、一般の人々も受け入れてきたからでしょう。
植生はブナ林とモミジの新緑が美しく、晴れて木漏れ日がある事もあって気持ちよく登れました。最初はTamronの28mmf2.5でマニュアル撮影を楽しみながら登ります。
やっぱりしばらく撮影してないと、樹林帯の中を撮りながら登るのがとても楽しいです。
笹ノ平分岐~刀利天狗
分岐の先で少し休憩した後はしばらく緩やかに笹原を歩いた後、急登の八丁登りを登り上げます。こちらは普通に急登なのでヒィヒィ言いながら登ります。
植生がブナ⇒笹⇒松と変化していて面白いですね。
登り上げて前屏風の頭を過ぎたあたりからハシゴが出てきたりして岩が増えて来ます。
刃渡りに出ると一旦展望が開けます!
NHK日本百名山の映像で見ると怖そうでしたが、実際は気をつければ問題ありません。
鎖もありましたが、特になくても問題ないように思います。
鳳凰三山が綺麗に見えます |
刃渡り |
それよりは展望が嬉しいですね。八ヶ岳が裾野まで綺麗に見えて、鳳凰三山もバッチリ!最高です。ここまで良い天気に恵まれるとは思っていなかったので、余計に嬉しいです。
また刃渡りの辺りはイワカガミが群生しており、可愛らしい姿に癒されます。
刃渡りを抜けるとまた樹林帯に突入し、刀利天狗に到着します。
刀利天狗~七丈小屋
黒戸山まで登っていくと(黒戸山は通過しない)ゆるやかになります。
その後急激に下り、鞍部に。
ここで甲斐駒ヶ岳が拝めますが、スタートして既に5時間登っているにも関わらず甲斐駒ヶ岳山頂は遥か向こうの頂きに・・・!
だいぶ登ったにも関わらず・・・! |
ちょっと心折れそうになったのと腹減ったので軽く腹ごしらえをします。
お手軽パスタでサクサクとお腹を満たして再出発。
その後腹持ちは悪くなかったですが、イマイチ力は出なかったですね。
やはり握り飯にかなうものはないのか!
祠まで来ると、その先は梯子や鎖場の連続。
集中して登ります。
かなり長い梯子 |
梯子や鎖は新しく、よく整備されています。
ありがたい事です。ヘリで上げているのか、歩荷されているのか分かりませんが、材料も置いてあったので定期的に整備されているのでしょう。
1箇所先が見えない鎖場があるので、下りの人とバッティングしないよう声掛けしてから登ります。
傾斜が緩やかになって来て、最後の鎖を通過すると小屋に到着します。
七丈小屋
そんなに広くない地形ですが、上手いこと建ててあるなぁと感心します。
2F建てで1Fが食事スペース、2Fが就寝スペース。
地面の冷却を避けるためか1Fは小上がりになっています。
また中央には懐かしい形のストーブも。
コロナ対策でパーティションや布団へのビニール掛けなどしてあります。
シュラフは要持参。暖房は効いていたので3シーズンモデル。
サンダルはあったのでお借りしました。
HPのブログにも記載がありますが、水場がちょうど先日開通し、冷えて美味しい水がこんこんと出ています。使いやすいように蛇口から出ています。永遠に出るお水みたいで面白い。
トイレの奥に第二小屋がありましたが、そちらはどうやら改装中のよう。
鳳凰三山を眺められる素敵なテラスがありました。
疲れ切った身体に一瞬で吸収されます |
早速小屋でビールを買っていただきます。珍しくプレモル、一番搾り、アサヒと選べるようでした。
鳳凰三山と澄み切った青空を眺めながらの一杯は最高です。
テント場は梯子を登っていったさらに先にあります。テント場の広さは結構あるため、20張くらいは普通にいけそう。第二テント場の一部からは八ヶ岳を眺められます。
ただ小屋からは結構遠いため、往復はしにくいです。
この日は小屋泊は私を含めて2名のみ。
小屋番の方も1人で切り盛りされてました。
最初はビールと、最近ハマっている赤ワインでホットワインを作ってそれでお仕舞いにするつもりでした。
ホットにするからピノ・ノワールで |
でした・・・が、もう1人の方と話とお酒が弾んでついついワインが空き、地酒を頼み・・・
調子に乗ってかなり飲んでしまいました。反省です。
というかこちらの小屋、お酒類が充実しすぎですね?
下手な居酒屋よりこだわってるのでは・・・。(嬉しい
普通はビールやチューハイが1種類ずつあるくらいな気がします。
夕食は17:00からで特大ウインナーが入ったカレーライス。
旨いしおかわりも出来るそう。
水場が開通したからお蕎麦もつきました。
条件が良ければ星撮りしようかと思いましたが、残念ながら月がかなり明るそうなため断念。(飲みすぎてて起きれない
この日の小屋番の方が酒蔵でも働いている方らしく、地酒の説明なんかもしてくれて凄く楽しかったです。やっぱり背景を聞けると味に深みが増す気がしますね。
夕食が終わったら早々に就寝します。
この日は2名のみなので、イビキに悩まされずに眠れたのは初めてかもしれません。
七丈小屋〜御来光場(八号目)
山頂でご来光を見れたらラッキーと、2:30に小屋を出ます。荷物はデポさせていただいて軽装で。
八号目までも結構登ります。
またこの区間は雪がそこそこ残っており、夜明け前はガチガチに凍っているのでチェーンスパイクを使用しました。日が登った後の下る時にはシャビシャビしていたので靴だけでもいけるかもしれません。
特に難所はなく、ひたすら登り上げると平なご来光場に到着します。
ご来光場からは八ヶ岳、鳳凰三山が見え、富士山と北岳も少し見えます。
八号目〜山頂
ここからがやっと高山の雰囲気。
道のりの長い南アルプスらしい感じです。
垂直な鎖場や慎重に通過する必要のある岩場なども出てきます。
途中に有名な烏帽子岩に突き刺さった二本剣を見る事が出来ます。
この辺りで空がかなり白んできていい感じでした。
北岳もよく見えるようになってきます。
それにしてもあの剣はこの場所で何故刺さったままでいられるのか・・・?
とんでもない強風や豪雪もあるはずなのに・・・!
山頂でご来光行けるかと思いましたが、タイムアウトで途中でご来光。
でもおかげで摩利支天?甲斐駒ヶ岳東側のモルゲンロートを見れた!カッコいい!
タイムアウトぉー |
そこからもう少し登り上げると北沢峠ルートとの分岐、稜線に出ます。
やっとの事で拝めた仙丈ヶ岳!
素晴らしい〜!
素晴らしいマッス |
ここまで来ると北岳と仙丈ヶ岳のマッスに圧倒されます。
あぁ、美しい。 |
稜線から山頂はすぐそこ。
やっとの事で山頂です。
山頂は結構広め。
西南に仙丈ヶ岳に北岳からの白峰三山。
西にはわりと近いところに中央アルプス、その奥には御嶽山になんと白山まで見えました!
そこから北に目を向ければ乗鞍、槍穂高、蓮華に後立山連峰が遥か先に見えます。
東には逆光の八ヶ岳。赤岳が凛々しいですね。
逆光の八ヶ岳も、また良い。 |
山頂は1℃くらいで中々に寒く、防寒着を着て豚汁タイムです。さみぃ。
やっと手に入れた350mlのスノーピークのダブルウォールマグでいただきます。やっぱりダブルウォールは冷めにくい!
その後、小屋で一緒だった方も登られて来たので写真タイム。
その方曰く、剱岳の稜線の向こうに八丁尾根という尾根があり、周回出来るそうです。
超人の為せる技ですね。
私は素直にピストンです。
あまり長居しても寒いので、名残惜しいながら山頂を後にします。
素晴らしい景色をありがとう |
下山
山頂から八号目までは慎重に下って行きます。
鎖場も下りの方が足元が見づらくバランスを崩しやすいですね。鎖に頼り切りになった事が1-2回ありました。まだまだですね。
ここは結構怖い |
しかし甲斐駒ヶ岳黒戸尾根の上部のこのあたりはそこそこの難易度だなと思うんですが、信州山のグレーティングでは分類分けされていません。
しかし難易度Dの塩見岳直下や八ヶ岳の真教寺尾根と同じくらいだなと感じました。
八合目以降は危険個所はほとんどないので、小屋目指してサクサクと下ります。
残雪はシャビシャビでしたが、怪我しても嫌なのでチェーンスパイクはつけました。
小屋には荷物をデポして身軽で行かせてもらえたので、戻ってから荷物の整理です。
お茶もいただいて、休ませていただいてほっこり。
ここで朝飯ですが、ふと閃いた今回の朝ごはんは、
🤩永谷園のお茶漬け🤩
これは旨い |
ご飯はちょうど1人用のコッヘルに入るサイズのレトルト米。
これがお湯も無駄にせず、普段のご飯に近いので食欲も刺激されていい感じ。
2日目の朝にピッタリです。
しばらくゆっくりしたら水の補給を行ってから小屋に別れを告げて下山開始です。大変お世話になりました。
黒戸山との鞍部までは梯子や鎖が多いので慎重に。
鞍部のハシゴのところに白山小桜が咲いていました。小屋の方に教えていただいてやっと発見。可愛い!
そこから登り返してからはひたすら下り続けます。
まぁ長いですが、よく踏まれているからか早いペースで下っていけます。
樹林帯はガスで展望がなかったのでお花で癒される |
横手との分岐を過ぎた辺りで花谷さんとお会い出来ました。
大工さんと登っておられて、小屋の改装との事。
上に雪はもうあまり無いですと話ししていたら、今年は随分早いと仰られてました。
しっかしでかいザックを軽々と背負われて、凄いもんです。
またいつか来た時は小屋でお会いしたいですね!
色んなお話を聞けそう。
あまり引き止めても申し訳ないので下山再開。
最後の急傾斜に足が応えますが、どうにかこうにか下りきって神社まで戻ってきました。
尾白小屋で懐かしのメロンソーダをいただいて、駐車場までブラブラ歩いて終了です。
所感
ストック
下りで初めてダブルストックを使ってみました。
登り返しではバランスを取りやすく、思ったより効果的だなという印象。
下りでは広いところはいいですが、狭くなると途端に使いにくくなる。
もちろん長さは適宜変更はしています。
合うところはテンポ良く負担軽く下れていいのですが、合わない所は逆に邪魔に感じてしまい、難しいですね。狭い所はスピードにストック捌きがついていけない。スピード出さなければいいんですが、ついテンポ上がってしまいます。
全体的には使える場面の方が少なそうなので、今後も使わないかなぁ。登りの時にずっと使ってみるとまた印象が違うかもしれません。
iPhone
私は未だに6sを使っているのですが、山頂でデータ通信をONにしたら寒さで一気にシャットダウン。一応バッテリーは1回変えてるんですけどね。
焦ったのはその後。
七丈小屋ではdocomoで4G繋がりますが、戻ってきてデータ通信ONにするとなんとSIMがロックされましたとの表記が。
PINコードを求められるも、ロック解除のPINではないようで、しかも3回までしか出来ない様子。
そんなPINを設定した覚えはなく、完全に使えなくなっても困るので後1回のところでその場は諦め。
まさかのデータ通信手段を山中で失うというハプニングに焦りました。
下山後にフリーWiFiで調べると、どうやら最近のアップデートで再起動後はPINナンバーを求められるようになったそう。知らんがな。
各携帯会社で初期のPINが決まっており、それを入力すると無事使えるようになりました。
セキュリティ強化のための機能みたいですが、知らないとてんやわんやです。
山ではWiFiなんて無いし、かと言って万が一の遭難時に通信出来ないなんて洒落にならないし。
最近はアップデートの内容もほぼチェックしておらず適当でしたが、これからは重大そうなものがないかのチェックはした方が良さそうです。
コメント
コメントを投稿