【日帰り】厳冬期 硫黄岳へ再挑戦


あけましておめでとうございます。新年の初登り。

しばらく挑戦する山に入っていなかったので、厳冬期の硫黄岳へ再挑戦することにしました。 


SCWを見るとまさかの一日中快晴!


これは期待できるとウキウキしながら八ヶ岳へ向かいます。


昨年は天気が悪い中で行ったので、森林限界を超えたあたりで撤退の憂き目に。

敗退の原因は装備不足とカロリーコントロールのミスかなと思ってます。


今回は天候が良いのでおそらく大丈夫とは思いますが 、気を引き締めていきます。



ゲート〜夏沢鉱泉



気温は-16度程度、昨年よりは寒くない気がします。

大休止をとると、指先や足先が一気に冷えることが昨年の経験からわかっているので、できるだけ立ち止まらなくていいようにアイゼンなどは最初から装着。


雪質はクラスト状でよく締まっており、アイゼンがよく効いて歩きやすい。

空には雲ひとつない。期待できます。

夏沢鉱泉まで歩いたところ、アイゼンが緩いことに気づきました。そういえば今の靴にしてから合わせていなかったので、

夏沢鉱泉のベンチを借りて調整します。

上で緩いのを直すのは難しいですから。


夏沢鉱泉〜オーレン小屋~夏沢峠

ここは緩やかな区間で問題なく進んでいきます。 

オーレン小屋の手前は少し登り区間。

オーレン小屋からは、昨年見えなかった硫黄岳の山頂らしき所が!これを見たかったんだよなぁ。

オーレン小屋で軽く行動食をとります。

補給をきちんと挟んでるかどうかで大分違う。

ここからは登りになるので念のためピッケルも携行。


鷹の松目経由で行こうと思っていましたが、そちらはあまりトレースがなく、昨年と同じ夏沢峠経由で登ることにしました。

オーレン小屋から夏沢峠までは準備もしっかりしているからか、体力気力ともにあり、とても短く感じます。

夏沢峠に出ると目前に硫黄岳が爆裂火口をさらけ出してそびえ立っています。


去年は見れなかった景色なのでここで一気にテンションが上がります!

夏沢峠から見る硫黄岳はかなりの存在感です。


夏沢峠〜硫黄岳

ここからは少し登ると森林限界へ。

この辺りの木の雪の付き方が昨年とは全く違います。

去年は真っ白で別世界に来た感じがあったけど、今回は夏沢峠以下の樹林帯とそんなに変わりません。


森林限界を超えると一気に風が強まります。 

少し登っていくと昨年撤退した地点の岩が見えてきました。思ったより近い。。。!


そこを越えていくと山頂は遥か遠く。

全然進めてなかったんですね。それでも昨年はこの岩までひどく長く感じたものですが。。。


振り返ると箕冠山なのか根石岳なのか、よく見えます。

相変わらず気温は-16°c程度で風もかなり強いので、動いていないと一気に冷え込みます。


てんくらの予報では風速は15 M 程度でした。 しかし昨年の悪天の硫黄岳や好天でも強風だった唐松岳と比べれば

進めないことはないです。


やはり去年の2回の撤退は無駄な経験ではなかったと思います。



森林限界も雪質はよくアイゼンがサクサク。

硫黄岳は急峻なところがないのでピッケルはほとんど使いません。 


風が強いのでエビの尻尾やシュカブラがいたるところにあります。


思いの外撤退地点から先が長く、なかなか疲れます。

爆裂火口近くのケルンの東側は、完全な無風地帯だったのでそこで行動食を補給します。 

羊羹はこの寒さでも凍らないので優秀なこと極まりない。

爆裂火口付近から少し登り上げるとついに頂上です!

山頂からは待ち望んでいた白い赤岳や阿弥陀岳の雄姿が見えます。




周りは360°の展望があり、南アルプス、中央アルプス、御嶽や乗鞍、北アルプス、浅間山などがくっきり見えます。

北アルプスは穂高から鹿島槍までよく見えて嬉しいです。




山頂でも容赦なく風が吹き付けるのであまり長居はできません。

そこそこに写真を撮ったら早々に下山開始します。

写真を撮っているだけでもどんどん指先が冷えてきて動かなくなってくるので、

やはり常に動いていないと厳しいです。




山頂にいた時間は短かったですが、そこまでの行程と山頂での大展望が最高だったので、大満足で下山します。

本当は根石岳にも立ち寄る予定でしたが、満足してしまったのでこのまま帰ることにします。

下山



天気も雪質もいいので、気持ちよく降ります。

夏沢峠まで降りてくると日もだいぶ指し始めて暖かくなってきました。

かなり余裕があるので塩おにぎりを補給してコーヒーをいただきます




塩おにぎりはかなり凍っていましたが一応食べれました。 消化できるんだろうかとちょっと不安になりましたが、

よく考えたらアイスを普通に食べてるんだから問題ないでしょう。


かなり気が緩んできたので、ここでヘルメットやピッケルはしまいます。

ヘルメットをバックルだけで付けたんですが、それが失敗でした。


オーレン小屋まで降りてきたら後は緩やかなのでアイゼンも外してしまいます。

アイゼンがないので軽快に降りていけます。






正午が近い時間帯でしたが、これから登って来る人も結構いました。

しかし山頂までの時間を考えれば特に問題ないでしょう。


むしろ日が差していることで寒さが和らぎ登りやすいかと思います。 

もしかしたら風も弱くなっているかもしれません。また、赤岳の山肌に日が順光で当たっているのでとても綺麗でしょう。


しかしあの強風の中で登頂することが自分には意味があったので良かったかと思います。 


オーレン小屋からしばらく下りながら途中でヘルメットがないことに気づきました。

うそーん。


1万円ぐらいしたヘルメットなのでかなりショックです。

夏沢鉱泉まで降りてからすぐ後ろを歩いていた方に聞いてみたところ、夏沢峠とオーレン小屋のあいだに落ちていたそうです。 

ガーン。


仕方がないので夏沢鉱泉に事情を話し、取りに来れる距離じゃないのでもし見つかったらもらって下さいと話したところ、

着払いで送りましょうかと提案いただいたため是非お願いしますと伝えました。


忙しい小屋の方に手間をかけさせてしまって大変申し訳ないですが、ヘルメットが戻ってくるのはとてもありがたいです。


ちょうどお昼時だったので夏沢鉱泉でお昼をとることにしました。


カレーライスが美味しそうでしたが、ボルシチランチというおしゃれなものがあったのでそちらを注文。



時間に余裕があるのでゆっくり食事を取ります。

食後は少し歩いて車まで戻って終了です。


帰り途中に夏沢鉱泉から電話連絡があり、ヘルメットを拾って届けてくれた方がいらっしゃったそうです。

これで戻ってくる!ありがたい!

山道で落とし物を拾うのは荷物が増えるので、迷惑になる所を拾っていただいた方にも、忙しい中対応いただく

夏沢鉱泉のスタッフの方にも感謝しかないです。


ありがとうございます。


所感

登山口前のアクセス

一昨年天狗岳に登った時に、唐沢鉱泉までの道でスタッドレスタイヤのみの FF では太刀打ちできませんでした。

そのため昨年ジムニーを購入したところ、桜平上の駐車場までチェーンなしで問題なく登れました。 


しかし今回チェーンを着けた CX-8や、チェーンなしのフォレスターも登ってきていたので無理にジムニーでなくてもいいような気がします。


ジムニーでは安心して登れますが高速移動が疲れるのと、燃費とガソリンタンクの関係で距離を走れないため、

ガソリンの残量をかなり気にしながら走る必要があります。


ジムニーは好きですが家族車としてSUVを購入した場合、ジムニーの存在意義が薄くなるかもしれません。


撮影機材


今回Z6を持って行きましたが-16°cでも問題なく動作していました。 


ただ、 液晶画面での表示に少し遅延が見られたため、EVFのみの表示にしました。


これだけ寒い中、本体もいつものように肩につけて強風にさらしていましたが、

電池も一目盛しか減りませんでした。


アウターグローブをつけた状態だとOKボタンがかなり押しにくいですが、

iメニューの項目をコマンドダイヤルで変更できるのはとてもやりやすかったです。


レンズはいつものセットに新しく購入した Z 28 mm f2.8持参しましたが、軽くてAFでサクサク取れるのがやはり楽です。 

ただ、フルサイズ用レンズ3本体制だとパーゴワークスのスイングLではかなりキツキツです。


やはりフォーカスが必要ですかね。


太陽の光芒を出そうとしてF22まで絞るとS-LineのZレンズでもかなりゴーストが出ます。


しかしフィルターの影響が大いようで、フィルターを外すとゼロではありませんがゴーストはかなり少なくなります。


フィルターは日本メーカー製で描写には影響ないものの、厳しい条件でのゴーストには影響があるようです。



冬山装備


アウターグローブはテムレスを使っていますがマイナス10°c以下だと動いて発熱していなければ手先が凍傷になりそうです。

どの程度まで行くと凍傷になるのか経験がないので分かりませんが、(凍傷になった事がないので)痛みが消えてきて動かなくなった先に

凍傷になるのかなと思っています。


やはり専用のグローブが必要でしょうか。


また今回ヘルメットを落としてしまったのは固定の仕方が非常に甘かったことも要因の一つですが、

今使っているザックにギアを取り付ける部分が少ないことも一つかと思います。


もちろん夏山用の日帰りザックなので当たり前ですが。


冬山ギアのことをあまり考えずにデザインで決めたので後から失敗したと感じました。 

できれば夏の日帰りと冬の日帰りは同じザックを使いたいので、雪山用の日帰りザックに新調するか、モンベルのギアホルダーを買おうか悩ましいです。


トレースの有無や雪質などは行ってみないと分からないことが多いため、どうしても保険でワカンも持って行きたくなります。

ツボ足でのラッセル辛いので。


しかしワカンもザックへの外付けが面倒なため、どうしたものかと思っていましたが背面ポケットに入れている人ちらほら見かけました。

今回のようにギアを落とすと迷惑にもなりますし、自分の懐にも痛手なのでそろそろギアの取り付け方を真面目に考えようかなと思います。


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