野鳥撮影の入り口(Nikon Z50 + FTZ + Kenko Teleplus Pro300 2x + SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM)


趣味とは多岐に渡るものである。

集中力がないともいいます。


子供が出来てから中々自由に山に行けない日が続いており、では隙間時間で何かやれることは、と考えた時に前々から興味はあった野鳥撮影に挑戦してみようかと考えました。


幸い住む所の近くには2,3野鳥スポットがあり、比較的気軽に撮影に臨めます。

そこでまずは機材。

野鳥撮影に最適であろうD500を売ってしまっているので、今使うとしたらZ50になります。

幸いZ50でも連写は高速連続撮影(拡張)で11枚/秒は出るのである程度はなんとかこなせるでしょう。何気にD500より速い。バッファは比べ物にならないですが。

Z50を使った野鳥撮影については以下のブログを大いに参考にさせてもらいました。


https://photo-monograph.jp/2020/01/01/nikon-z-50/

photo-monograph


プロの写真家(本業は医療撮影のようです)の方がご夫婦で野鳥撮影をされているブログで、仕事としてもやられているようなのでかなり本格的な内容です。

現実的な機材の詳細なレビューもあるため大変参考になります。


Z50 + Z DX 50-250mm f/4.5-6.3 VR

まず手始めにキットレンズで始めます。
うたい文句は小型軽量ながらキレキレの描写をするレンズ。

というレビューをよく見かけますが、正直個人的には普通かなと思っています。
むしろ望遠端がAF-P 70-300より短くなっているにも関わらず絞りは6.3なのでちょっと不満。まぁ実質50始まりになっている利便性の方が高いと思いますが。

比較的近所の小規模な湖があるスポットへ。撮影は5月。

実際に使ってみて、望遠端250mm(換算375mm)では全く足りない事が実感出来ました。
全然足りない。トリミングの嵐です。

またこの日は天気が良くなかった事もありますが、大きくトリミングしているので画質は厳しいものがあります。Webならなんとか使えるかなと思いますが、印刷とかはL版くらいでしょうか。

コアジサシ 狙っています。

急降下。ピントが甘いですが、初めてにしては及第点。

オオヨシキリ

オオバン。バンやカモは撮影しやすい。

コチドリ。ちょこちょこと可愛い。

お馴染みスズメ。何気に警戒心が高い。

カワウの群れ。近づけず、トリミングしてもこの大きさ。

カワセミ。ダイブはとてもじゃないけど撮れない。羽毛は全く解像してない。

鳶かな?

とりあえずやってみようと行ってみたものの、見事に打ちのめされる結果に。
ただ撮影自体は楽しいし、野鳥は可愛く興味深い事が分かりました。
何気に種類も多く見れて楽しいです。

次に晴天時にも撮影してみました。1月です。

ダイサギ。きちんとピントが来ています。

コサギ。あむ。

コサギの飛翔。これくらい大きくゆっくりな飛翔であれば追いやすい。

カワセミ。やはり被写体が小さいからか解像感は乏しい。

晴天時は曇天時よりはかなり良いとは思うものの、やはり焦点距離不足は否めません。
描写はあからさまによくなるし、AFの食いつきも大分違うなと感じます。

キットレンズの課題としては

 ・焦点距離が不足している
 ・曇天時の解像不足

特に焦点距離は致命的でした。解像不足は焦点距離に対して遠くのものを撮っているからというのもありそうですが、DXのキットズームなのでこんなものでしょう。

Z50自体はそこそこ使えるものの、カワセミダイブを追うのは1回やった感じは不可能ではと思われるレベルです。修練を重ねればいけるのかもしれませんが、EVFの遅延とブラックアウトが致命的ですね。

なるほどこういう所がEVFの弱点として騒がれるわけですね。
EVFとしては優秀なZでも、ブラックアウトはどうにもなりません。
Z9ではどんな感じなのか気になりますね。

高速連続撮影(拡張)はD500と同じ10コマ秒でありながらフリッカー低減が無効になる事と、一部露出が不安定になる場合がある(と言ってもあまり影響は感じない)くらいなのでEVFの遅延を除けばわりと実用的です。

Z50 + FTZ + Tokina RMC 400mm f5.6

とりあえず超望遠域を体験してみよう、という事でメルカリでポチったのがこちら。
SDレンズすら使っていないごく初期のものです。もちろんMF手振れ補正無しの漢気仕様。

その代わり重量は1kg強と手持ちでも問題なく、サイズもさして大きくありません。
AF-S70-200Gより小型軽量です。
オールドレンズでも単焦点なら!?という淡い期待を寄せて。

因みに期待は儚く散って、すぐに限界を感じて既に売却済みです。

カワウ。泳ぎがお上手です。

マガモ

コサギ。換算600mmは迫力があります。

逆光時のコントラスト低下は深刻。この時代のレンズだから当たり前か。

ダイサギ。見事なまでのパープルフリンジ。

400mm(換算600mm)の画角は中々に迫力があり、これはいいと思いましたが、もう少しあってもいいなと思いました。
800mmが野鳥撮影の標準焦点距離と言われるゆえんが分かった気がします。
超望遠単焦点も一般販売されているラインナップにあるのは800mmまでですからね。

しかし焦点距離は良くてもそこはオールドレンズ、光線状態によっては盛大なコントラスト低下や、見事なまでのパープルフリンジが発生します。パープルフリンジなんて今のレンズじゃほとんど感じられないくらい抑制されてるから逆に目新しい。

そして換算600mmをMFするのはかなり厳しい。被写界深度がとんでもなく薄いんですよ。ピント面ドコーです。まぁ開放で使うなよって話かもしれませんが。

そして手振れ。ブレ。ぶれ。
シャッター速度を上げればぶれませんが、ファインダー像はぶれっぶれなので撮りにくい事この上ない。Z6使えばそこはボディ内手振れ補正が有効ですが、今度は焦点距離が物足りなくなります。

という事でこれであまり頑張ってもしょうがないので次にいきます。

Z50 + FTZ + Kenko Teleplus Pro300 2x DG + AF-S 70-200 f2.8G VR2

さぁ、禁断の2倍テレコンのご登場です。バイテレ。てってれー。
焦点距離が足りない?あるじゃないか!テレコンが!

存在は知っていたものも、あまり調べてこなかったテレコン。

調べてみるとどうも、

純正テレコン
AFも写りも間違いないが使用可能レンズが限られる。
2倍以降は描写にも影響してくる。世代によって対応AFが違うので注意。

Kenko Teleplus
一応AFやVRに対応。1.4までは純正と遜色ない?
ラインが二つあり、50mm~200mm用(MC4,MC7)と300mmf2.8を基準に設計されたPRO300がある。
対応レンズが幅広い。

現行ラインナップではHDとHD Proにそれぞれ改名されて価格も上がっている。
という様子。



もちろんはじめは安価な中古で体験です。
純正は中古でもいい値段がする割に、指定レンズ以外で使えるのか不明だったのでKenkoのPro300に狙いを定めました。

1.4の方が描写は良さそうですが、2倍が許容範囲ならその方がいいだろうと思いPro300 2x DGを購入。因みにDGはデジタル対応(多分AF-SやVR対応のこと)でDGXはExif情報も正確に渡るみたいです。

Teleplusは種類が沢山あるけれど情報が少ないです。

さっそく使ってみます。倍テレは2段暗くなるので、70-200f2.8Gを持っていきます。
この組み合わせならZ50でもAFとVRが効いて、かつ換算600mmの画角を得る事が出来ます。実効f値は開放でf5.6ですね。

撮影は2月。

ハシブトガラス。カラスはいい練習になる。食いつきは悪くない。

ダイサギ。

順光でアオサギ。困ってる?

かなり近くでカワセミを撮れた。

ちょっとブレてるけどモズ。愛らしすぎる。

順光でモズ。

ジョウビタキのメス。この日のベストショット。かなり近くに来てくれた。

ジョウビタキ

ムクドリ。日が当たっていないととたんに粗が。。。

ムクドリ。順光なら羽毛も解像してる。

全体的に倍テレの割には思ったほど支障ないなという印象です。
ただ光線状態によってはちょっと厳しいかなという場面もありますが、晴れの日なら比較的使えるなという感じでした。

因みに先述のTokina 400mmに倍テレで800mmという禁断の扉を開けてみると。。。

Z6 800mm

激甘です。
もうちょっと絞れば良かったかな?まったく解像しません。

いくら単焦点とは言え、オールドレンズに倍テレは過酷ですね。
後はボディ内手振れ補正があるZ6でもここまでの望遠域は効果が薄いようで手持ちは厳しいです。ボディ内手振れ補正もないZ50では換算1200mmという驚異の焦点距離になりますが、ファインダーがブレッブレのぶれっぶれで撮れる気がしません。

SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM

さて、真打ですか。

言わずと知れたSIGMAのライトバズーカ。

実はこの手のレンズは昔Tamronの200-400だったりでコンセプトとしてはあったのですが、現代的な機能(手振れ補正、超音波モーター)を備えたモデルはSIGMAが最初に出しましたね。
純正の80-400より望遠端が1段暗いものの、300gくらい軽く価格も1/3程度というのが魅力です。

最初はNikonの200-500 f5.6がいいかなと思ってましたが、(今でもいいなとは思ってますが)店頭で持ってみた時のあの重量とデカさがやはり気になり、より軽量なシステムになるこちらをまずは購入してみました。

70-200でカワセミダイブを待って構え続けてると辛かったので、200-500ならカワセミダイブは三脚必須になってしまうだろうとも思い。

ただ500mmあれば1.4テレコンで野鳥撮影の標準域と言われる800mmに近い750mm付近を叩き出せるのは魅力的です。しかもベースがf5.6だから1段落ちのf8で済むのもいいですね。

さて、それはさておきライトバズーカに倍テレ携えて軽く試写してきました。
因みにAFは遅くはなりますが普通に効きます。ミラーレスなんでAFのf値制限がないからですね。手振れ補正は焦点距離情報がおかしいのでちょっと挙動が怪しいですが、使えない事はないです。

メジロ。ちょっとフレアっぽい甘さはあるが、解像感はOK。

ハクセキレイ。結構近くで撮れた。羽毛まで綺麗に見えます。

マガモ。10mくらい離れてたかな?少し甘い。

シジュウカラ。うまくAF出来ず、ピントがいまいち。

ヒヨドリ。テレコン無し。バッチリ解像。

倍テレは使えなくはないものの、遠距離になると(10m以遠くらい?)画質は落ちます。
またAFも合いにくくなります。全く使えないというほどではないですが。
逆光時のコントラスト低下は結構深刻で、ベースレンズがf6.3という事も有り、合成f値はかなり暗いのでちょっとでも暗いシチュエーションだとISOがかなり上がるのもネックです。

個体の判別には十分使えますが、写真としてはちょっと難しいなという印象。

レンズ単体では素晴らしい解像度でコントラストも問題なく、AFも早く、手振れ補正の効きも悪くないです。(純正はより自然に止まるのでそこまでではない)

ただ400mm(換算600mm)はそこそこ寄らないといけないので、やっぱり1.4テレコンくらいは欲しいよねと思いました。

1.4テレコンも選択肢が豊富で難しいんですよね。。。

ハクセキレイ。等倍トリミング。テレコンは無しだったかな?

ハシボソガラス。テレコン有りで1段絞って。これくらいなら使える。

アオジ。テレコン無し。チッという鋭い鳴き声が特徴的。

アオジ。テレコン有り。近距離で順光なら羽毛も解像します。5mくらいだったかな?

アオジ。テレコン無し。ふわもこまるまるにも程があります。

カワウ。テレコン有り。全然解像してません。20mくらいかな?2段くらい絞ってる。

別の日にまた倍テレ持ち出し。少し曇り気味でたまに日が差す状況。
やはり光線があたっていない状態で、距離があるとテレコン有りでは解像しない。

なんとなくではあるけれど10mくらいが目安かな?

近距離で光線状態良ければ使えるレベルで解像します。
ちょっとコントラスト低下とフレアはありますが問題ないでしょう。

遠距離は絞れば良くなるかと言われるとそうでもない。
テレコンはつけた状態でAF調整すれば解像する、という話も聞きますが使ってるボディがミラーレスなので余り関係ないかと思っています。コントラストAFも使ってるはずなので。
ピント合わせてから拡大し、MFでピントを前後させて数枚撮っても甘い描写は変わらないですし。

突き出し量が多く、使用レンズが限られる純正テレコンなんかは果たしてどの程度描写が違うのか気になります。
大して変わらないのか、圧倒的に違うのか。
口コミ見てるとやっぱり倍テレは厳しいんじゃなかろうかとは思いますが。

ZレンズはFレンズより解像するので、ロードマップにあるZ200-600にZの倍テレとか使えそうな気がしますがどうでしょうね。高いけれどそれなら投資価値はありそうに思います。

ただこのKenkoのTeleplusで撮った写真も、PCや背面液晶で等倍拡大すると明らかに厳しい事が分かりますが、リビングにある50インチの4Kディスプレイで5mほど離れて視聴する分には特に気にならなかったりします。

8Kテレビが普及価格帯になるのはまだ先でしょうから、使用用途によっては使えない事もないでしょう。

ただ背面液晶で確認した時に甘いとテンションが上がらないので、そこは問題かなぁ。

300F4 PFや500F5.6 PFに倍テレつけてみたいですね。


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